Interview: Vier Antwerp

2017月8月24日

ベルギーはアントワープ発のストリートブランドVier Antwerp。2017年春に日本に初上陸後、ストリートファッション好きの間では噂になっている。しかしスケートショップのオリジナルブランドであることやラフ・シモンズにとても気に入られていることくらいしか情報がなく、「一体Vier Antwerpって何?」と思っている人も多いだろう。創立者のジャンカルロとボブにインスピレーションの源、ブランド哲学、そしてブランド名の由来である「4区」について様々な話を聞いていくうちに、Vier Antwerpの全貌が少しずつ明らかになってきた。

アントワープのカルチャーについて教えてください。特にVIERのショップがある4区について知りたいです。

ベルギーはもともとあまりストリートカルチャーが盛んな国ではなかった。小さいながらスケートシーンはあったものの、本当に小さかったんだ。それでここ数年でストリートカルチャーの人気が出てきた。アントワープはアントワープ王立芸術アカデミーがあることから、ドリス・ヴァン・ノッテン、マルタン・マルジェラ、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク、クリス・ヴァン・アッシュ、アン・ドゥムルメステールなど有名デザイナーが誕生したんだ。だからストリートよりもハイファッションの街というイメージが強かった。

でも最近は世界的にストリートとハイファッションが歩み寄って互いを影響し合っているけれど、それはアントワープでも起きている現象なんだ。今ではストリートカルチャーが注目されていて、リスペクトされるようになった。

僕たちのショップがあるアントワープの4区はかつて、労働者階級の人々が暮らす少し危険な地域だった。でもモード博物館が2002年に開館した後に街の雰囲気は一変した。今はハイファッションの店舗が立ち並ぶおしゃれで洗練された地域に生まれ変わった。また同時に、僕たちの店のような小さな個人経営のショップも増え始めて、今ではアントワープのストリートカルチャーの発信地となっているよ。

おふたりはどのように出会ったのですか?

僕たちはかつて同じアパレルショップで働いていたんだ。ふたりとも大のビール好きということで意気投合。ストリートウェアへのパッション、そして当時のアントワープに欠けているものについて、夜な夜なビールを飲みながら熱く語り合って仲良くなったんだ。とんとん拍子で話が進み、気がつくと共同経営者として自分たちのセレクトショップ、VIERを開店していたんだよ。最初から僕らが目指していたのは、ストリートやスケートファッションとハイエンドファッションをバランスよく取り入れること。

オリジナルブランドVier Antwerpの立ち上げのきっかけは?

ショップが次第に軌道に乗ってきて、自分たちで何かを始める余裕が生まれてきた。当時のベルギーまだちゃんとしたストリートブランドが存在していなかったから、だったら僕たちがブランドを始めよう、ってことになったんだ。そしてVier Antwerpが誕生した。最初は小規模で始めた。徐々に大きくなっていって、定番コレクションやコラボレーションアイテムなど商品ラインナップが増えていったんだ。でも当初より一貫しているのは「同じような考えを持った」ショップとしか取引をしないこと。現在Vier Antwerpを取り扱っているのはSlam Jam、Opening Ceremony、Machine-A、そしてもちろんNeed Supply Co.など僕たちが厳選したショップのみ。

ブランド哲学についてお聞かせください

Vier Antwerpが目指しているのは「authentic(本物)」で「no-nonsense(まじめな)」なストリートウェアのブランド。僕たちの哲学は難しすぎないこと。そしてやりすぎないこと。この考えはグラフィックデザインから、マーケティング、PRまで、僕らが行うすべての工程において一貫しているんだ。

FW17のテーマは何ですか? なぜヤシの木をプリントしたのですか?

いつだって僕たちは好きなものからインスピレーションを受けている。たとえば、サッカー、スケートボード、ファッション、音楽、映画など。僕たちが作るものはかならず自分たちが興味があったり、リスペクトするものが原点にあるんだ。今回のコレクションは僕たちが大好きな映画『Scarface(邦題:スカーフェイス)』からインスパイヤされている。映画の中でヤシの木が出てくる有名なシーンがあるんだよ。ちょうど来年でこの映画がリリースされてから25年周年だから、誰よりも早くにこの映画にちなんだことをやることに決めたんだ。他のブランドが似たようなことをやる前に一足お先にね(笑)。

今回コラボレーションをしているUber & Kosherについて教えてください。デザイン事務所なのでしょうか?

アントワープに拠点を置いているクリエイティブ集団なんだ。AlyxとかTravis Scottのデザインを手がけているんだけれど、彼らの特徴的なグラフィックデザインは僕たちのスタイルに良く合っていると思った。今回のコラボでは、彼らのグラフィック要素と僕らの要素をミックスすることが目的だった。アントワープ(市)をスタート地点として、そこからはUber & Kosherの自由な解釈とデザインで全く新しいものを生み出してもらったんだ。

 


Vier AntwerpのFW17は9月末より発売。定番品のキャップやフーディーから貴重なコラボアイテムなど、詳しい商品ラインナップは9月に入ってからまたお知らせするのでお楽しみに。