35mmフィルムのモロッコ

Words & Images: María Gaminde

2016月8月24日

去年の5月、私はママともっと仲良くなるために、ふたりだけの時間を過ごしたくなった。ちょうど読み終わった本に心の底から感動していた私は、“ママから何かを学びたい!”と衝動的に思ったのだ。

ママも私も旅の行先はどこでもよかった。でも前に行ったことがあるモロッコ行くことに決めるととてもワクワクした。そして、旅行に出る1週間前にフェズ行きの格安航空券を見つけた私たちは、(フェズについて予備知識はなかったにせよ)そのチケットを買った。結果、フェズは素晴らしい街だった。マラケシュよりも静かで、もっとモロッコっぽさを感じることができたのだ。

フェズ王国は一面砂の色で覆われていた。そんな乾いた砂色の街のおかげで、私たちはスピリチュアルな旅を体験できた。私たちはガイドブックのおすすめスポットには1カ所も行かずに、ひたすら自分たちの足で街を見てまわった。私たち親子の絆、ママ自身の話、そしてママの若い頃について話しながら歩いた。ずっと昔から私たちの共通点は、写真を撮ること。そしてカメラを持って旅に出ることは、何よりも好きな時間の過ごし方だ。しかし、私たちの写真のスタイルは似ていないし、心惹かれる対象も異なる。だけれども、何を写して、どんな思い出がよみがえり、どんな着想を得たのかなど、写真に関する熱い想いをお互いに共有しあっている。そして私が写真で行き詰っているときは、ママの写真を見ることで新しいアイデアが生まれてくるのだ。

 

私たちが訪れたとき、ちょうどフェズ世界音楽祭が行われていた。去年のテーマは、偶然にも私とママの旅にふさわしい『女性』だった。街のあちこちの広場でコンサートが行われ、屋台では焼きトウモロコシや肉料理などが売られていた。スペイン人の私たちがフラメンコの会場に行ってみると、ステージを囲む観客のほとんどがムスリムの男性たちだったのが印象的だった。

旅行中のある午後、これまた偶然にフリーマーケットに出くわした。そこではガラクタばかりを大勢の男性たちが売っていた。美術館に展示された異国の物を見るように、私たちは彼らの売り物について語り合った。彼らはどう見ても壊れているヘアドライヤーを私たちにしきりに勧めた。そして、私たちを街の中心地へ連れて行ってくれると申し出てくれた。

フェズとは、永遠と続く路地と、行き止まりでできた街だ。そのため、宿まで無事戻れるように、私たちは標識や壁に書かれた記号を覚えた。

この旅を経験し、フェズは私がモロッコの中で最も好きな街となった。なぜなら、壁やディテールの写真を撮るのがとても楽しかったから。そして何よりも、ママと一緒に過ごせた時間が最高だったから。

マリア・ガミンデはスペインを拠点に活動する写真家。インスタグラムでマリアの写真をフォローしよう。