リバー・ランズ・スルー・イット

Images: Jesse Weber, Jesse Yuan, Curtis England, Ryan Shackleton

2016月3月06日

映画『ナショナル・ランプーン』シリーズで、クラーク・グリスウォルドは「世界で1番大きな馬鹿げた穴」とグランドキャニオンを描写していた。もちろん、アメリカの休暇について知り尽くしているグリスウォルドの意見を反対する気などまったくない。しかし、私たちの仲良しのレイモンドが長期休暇中に撮影したグランドキャニオンの写真を見ると、グリスウォルドの評価は正しくないのではないかと思い始めた。

レイモンドは経理担当で几帳面。いつもスプレッドシートを駆使して予算管理をしている。ちょうどリッチモンドで今冬もっともひどかった暴風雪を避けるタイミングで、年始めに彼は休暇を取った。リッチモンドの歩道で滑ったり、雪が積もった道路を運転したりしながら、きっとレイモンドは太陽がさんさんと降り注ぐビーチで、ココナッツの殻に入ったカクテルを飲んでいるのだろう、と私たちは勝手に想像していた。しかし、リッチモンドの私たちと同じくらい、寒さに耐えることを要する冒険へ出ていたのだ。レイモンドは仲の良い友人ら数人と一緒にグランドキャニオンでキャンプを張り、コロラド川でカヤックをしていたのだ。

人類は何千年もグランドキャニオンを探検し続けている。実際、1万年以上も前に人が存在したという証拠が残っているほどだ。アメリカに住む人なら誰だって、この世の不思議のひとつと言われているグランドキャニオンをよく知っているが、そこに川が流れていることをついつい忘れがちだ。何も私は、グランドキャニオンが何世紀にも渡りコロラド川が侵食したことで巨大な峡谷(グランドキャニオン)が形成されたことを読者のみなさんが知らないとは思っていない。私は決してあなたのことをバカにしたりしているのではない。しかし、グランドキャニオンを訪れるほとんどの観光客は、ビジターセンターの屋上から峡谷を眺望するだけで、谷底にキラキラ光る川をはるか遠くに見るだけなのではないかと思う。

峡谷の底へ下りると、いかに人間がちっぽけな存在なのか思い知るだろう。それは、他ではあまりできない貴重な体験だ。写真を見せてもらっていると、レイモンドの旅行が羨ましくて仕方がなくなる。絵葉書のような絶景と大冒険、そしてなによりも自然の雄大さ。「こういうのに興味があるなら、なかなか良いと思うよ。自然の強さ。果てしない冒険。見たこともないような急流。うん、また行きたいと思っているよ」とレイモンド。こんな写真を見てしまうと、次回は私たちもレイモンドについて行くかもしれない。

レイモンド・ジェラルド、カーティス・イングランド、ジェシー・ウェバー、どうもありがとう